しがぎん経済文化センター

三大英傑(信長・秀吉・家康)とその時代 講師 笠谷 和比古 先生

「教科書で習った歴史認識を塗り替える 「歴史」の現在を実感する!」

笠谷 和比古

「ここ十数年の間、歴史認識は動き続けています。発掘のたびに歴史が塗り替えられる考古学同様、日本史もどんどん変化しているのですよ」と語るのは、新講座「三大英傑とその時代」で講師を務める帝塚山大学文学部教授の笠谷和比古さん。


 


今回のテーマは、波乱万丈の戦国時代にそれぞれ強烈な個性を放った三人の英傑、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康を取り上げる。講座の醍醐味は新たな資料から導かれた、最新の人物像や歴史的史実を知ることにある!


 


例えば、関ヶ原の戦い後の家康のふるまい。戦いに勝利しながらも、家康は豊臣家の家臣の地位のままであったという。さらに彼は秀吉の傘下にあった大名らに、大坂より西の領地を与えている。「当初の家康には豊臣家を滅ぼすという野心はありませんでした。家康は征夷大将軍となって政権を立てますが、豊臣家の権威も尊重し、京都以西の西国は豊臣が、東国は徳川が分有統治するという二重国制を設けて、棲み分けによる共存路線を考えていたのです。この二重政権構想はバランスが取れて、うまくいくかに見えたのですが、やがて破綻の時を迎えざるを得なくなります。それが大坂の陣に他ならないのですが、講座ではこの政治的メカニズムについて考えていきます」


 


今年は大坂の陣から400年となる記念の年。さらに来年のNHK大河ドラマ『真田丸』の舞台となるだけに、否応なしに興味が湧く。笠谷先生ならではの話術と視点に引き込まれること間違いなし。


 


「織田信長の革新性、超現実主義者の豊臣秀吉がなし得た天下統一の意味、そして徳川家康の法度(法)を用いることで権力を抑制する治政など、この三大英傑のそれぞれに際立った個性は、現代に置き換えた上でも参考になります。一人ひとりが各々の関心事に即して、また自分自身と照らし合わせて考えてみる機会にしていただければと思っています」。歴史を知ることとは膨大な情報を探り出し、そこから得たデータベースを活かし、新たな視点を見出すことにほかならない。「鎖国のイメージが強い江戸時代も、家康の時代は世界各国から訪れた外国人で満ちていました。それまでの歴史においても、最も国際色豊かで多産、豊穣な時代だったのです」と笠谷先生。改めて歴史の流動性を感じられる講義が待ち遠しい。


講師プロフィール

国際日本文化研究センター名誉教授 笠谷 和比古 (かさや・かずひこ)

京都大学文学部史学科卒。文学博士。専門は歴史学、武家社会論。帝塚山大学文学部教授を経て現職。この間、ドイツ:ベルリン大学、中国:北京外国語学院、フランス:パリ大学等の客員教授を歴任。またNHK「その時、歴史が動いた」や「BS歴史館」などにもゲストコメンテーターとして度々出演。

笠谷 和比古

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