しがぎん経済文化センター

モーツァルトのオペラの世界~究極の人間表現 講師 中村 孝義 先生

「人間の心情を巧みに描く モーツァルトのオペラを探究する」

中村 孝義

17世紀初頭に誕生し、さまざまな作曲家が手掛けたオペラ。「中でもモーツァルトの作品にはオペラのエッセンスがすべて詰まっています」と力説する大阪音楽大学理事長の中村孝義さんは、大学にあるザ・カレッジ・オペラハウスの館長を務めるなどオペラ分野で最前線に立つ一人として名高い。


 


新講座「モーツァルトのオペラの世界」では、モーツァルトの4大オペラ「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」「コジ・ファン・トゥッテ」「魔笛」を掘り下げ、彼が表現しようとした世界を探究する。特有の恋愛観や作品に込められた深い意味を知る機会として興味深い。


 


「オペラブッファと呼ばれるオペラでは、人間の愛や喜び、悲しみを滑稽さを含めて表現されており、演奏される機会も多い。一方、オペラセリアという歴史や神話を題材にしたオペラは日本ではあまり上演されないので、隠れた名作も紹介したいですね。天才モーツァルトの壮大な世界を知っていただきたいからです」


 


モーツァルトといえば、協奏曲や交響曲などあらゆる分野で名作を残している。「彼が最も作曲したかったのがオペラです。人間に非常に強い関心を持ち、特に心の綾や機微に敏感な人でした。それらを表現する最高の手段がオペラだったと考えられます」と中村さん。モーツァルトの音楽の真髄はオペラにあり、そこから他の器楽作品にも影響を与えた。彼のオペラの世界を知ることにより、モーツァルトがもっと身近に感じられるだろう。


 


音楽研究に従事して40年以上…「中学2年生まで学校教育の音楽が得手ではありませんでしたが、高校受験の前に音楽の先生からお借りしたクラシックのレコードを聴き、その魅力に引き込まれました」と中村さん。また、11月11日にはしがぎんホールでの「セヴィリアの理髪師」ハイライトで解説も務める。


 


全国有数のオペラハウス「びわ湖ホール」については「自治体が持つホールとして、これほど高レベルな作品を上演する施設は日本のどこにもない。滋賀県民が大いに誇れることだ」と太鼓判。オペラにふれる機会も多くなっているが、この講座での学びがオペラ鑑賞に一層生きてこよう。


講師プロフィール

大阪音楽大学理事長・名誉教授 中村 孝義 (なかむら・たかよし)

1948年大阪府生まれ。関西学院大学大学院文学研究科美学専攻博士課程修了後、ヴュルツブルク大学留学。音楽美学、西洋音楽史専攻。大阪音楽大学学長を経て現職に。著書に『音楽の窓』(カワイ出版)『ベートーヴェン器楽・室内楽の宇宙』(春秋社)など多数。雑誌「音楽の友」「レコード芸術」にて評論活動を行う。

中村 孝義

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