しがぎん経済文化センター

奥びわ湖の歴史と文化を語る~湖底遺跡・惣村・仏・合戦・街道~ 講師 太田 浩司 先生

「知れば知るほど深まる魅力 神秘的な奥びわ湖地方の歴史を探る」

太田 浩司

澄んだ青い水と山々の緑の風景が美しい旧伊香郡を中心とする奥びわ湖地方。そこに秘められた歴史を紐解いてみると、有名な賤ヶ岳の合戦以外にも興味深いエピソードや事物がたくさん残されていることに驚かされる。今まで紹介されることが少なかったこのエリアを歴史や文化、仏教美術などさまざまな見方で掘り下げ、その魅力を探ろうという新講座「奥びわ湖の歴史と文化を語る」が始まる。


 


広く知られていないため、ともすれば地元の人にさえ見過ごされがちなこのエリアの歴史や文化。しかし、それは歴史的資源を見つけだして発信することが今まで不十分だったからに過ぎないと、講師を務める長浜城歴史博物館の館長・太田浩司さんは指摘する。


 


「長浜市は日本でも有数の歴史的資源がごろごろころがっているところ。そのことに滋賀の人は気づいていないんです。観音巡りは東京の人の方が関心が高くて、滋賀の人は木之本や高月の仏様を拝観することが少ない、あるいは竹生島に一度も行ったことがないという人も多い。貴重なものが身近にあるのに、もったいないですね」


 


例えば葛籠尾崎にある湖底遺跡には、縄文から平安時代までの遺物が眠っている。遺跡の形成過程や、土器などの遺物がほぼ完全な形で発見される理由など解明されていないことが多く、他に例をみない珍しい遺跡だ。


 


あるいは、なぜ湖北に観音像が多いのか? 当たり前のように感じていることも、改めて考えてみると謎だ。


 


「己高山信仰の中心となる仏様が十一面観音であった影響ではないかといわれていますが、それで全て説明できるわけでもありません。湖南の比叡山や三井寺などとはまったく違った形態で、村人が村のお堂でお祀りして守ってきたことなど、観音信仰の成立過程と伝来の仕方の謎についての試論を解説したいと考えています」と太田さん。


 


一つの地域を主題にして考古学や戦国の歴史、仏教美術などさまざまなジャンルから、長浜市歴史文化施設の学芸員がリレー形式でアプローチする、今までにないスタイルの講座。神秘のベールに包まれた奥びわ湖の謎にじっくり迫ってみたい。


講師プロフィール

長浜市長浜城歴史博物館 館長 太田 浩司 (おおた・ひろし)

1961年東京都生まれ。86年明治大学大学院文学研究科(史学専攻)修了。同年から長浜市長浜城歴史博物館に勤務し、2014年から館長を務める。専攻は、日本史・近世史。戦国大名浅井の家臣団や村落統治のあり方について研究を行う一方で、数々の北近江に関する展覧会を企画。主な著書に『浅井長政と姉川合戦』(サンライズ出版)など。

太田 浩司

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